I&COは、避難ルートサイン「はるるーと 防災教育キット」を使用した実証実験の実施に向けて、9月30日付で埼玉県入間市と協力協定を締結しました。「はるるーと」に関する協力協定の締結は、全国の自治体で入間市が初となります。
「はるるーと」は、テープを貼る体験を通じて子どもたちの日常的な防災意識を醸成する、新しい避難ルートサインです。今回の協力協定のもとI&COと入間市は、「はるるーと」および今回新たに制作した防災教育用教材を組み合わせた「はるるーと 防災教育キット」について、その利用効果を検証すための実証実験を共同で実施します。
実証実験 概要
・日時 令和6年10月23日(水)13:30~15:10
・場所 入間市立藤沢東小学校(入間市東藤沢7-9-1)
・対象 小学4年の児童
・内容 「はるるーと」の貼付体験と、防災教育キットを使用した防災授業
日常的な防災意識を高める「はるるーと」とは?
「はるるーと」は、テープを貼る体験を通じて子どもたちの日常的な防災意識を醸成する、新しい避難ルートサインです。ロールテープ状で、学校の廊下などに貼って使用します。南海トラフ巨大地震の危険区域である静岡県で生まれ育ったI&COのデザイナー・橋本明花が、「デザインの力で防災のためにできることはないか」との思いから考案しました。
「はるるーと」の特徴
一般的に、既存の避難誘導サインは子どもたちの目線の上、かつ限られたポイントに配置されています。これに対して「はるるーと」は、子どもたち自身がテープを貼る体験を通して避難ルートを覚えたり、子どもたちの視野に入りやすい場所に配置することで、日頃から避難ルートを意識できる点が特徴です。災害時には、直感的にわかりやすいデザインや色覚の個人差に配慮したユニバーサルカラーで、避難ルートの目印として機能します。
「はるるーと」プロジェクトはフェーズ2へ
2024年4月に、静岡県三島市立東小学校での避難訓練において「はるるーと」を使用し、その効果を検証しました。児童からは「わかりやすくて逃げやすかった」、教員からは「児童たちが自主的に避難指示を意識し、自力で避難できる可能性を感じた」などのコメントをいただきました。
この実証実験の成果を踏まえて、テープの素材や色味、デザインを改良し、現在「はるるーと」の製品化を進めています。今回は、プロジェクトのフェーズ2として「はるるーと」をさらに効果的に活用してもらうことを目指し、防災の基礎知識を学ぶ防災教育用教材を制作しました。I&COは、入間市との協力のもと、「はるるーと」と防災教育用教材を組み合わせた「はるるーと 防災教育キット」が、学校の防災に一層寄与できるものになることを目指します。
入間市 杉島理一郎市長 コメント
入間市は『心豊かでいられる、「未来の原風景」を創造し伝承する。』というパーパスのもと、まちづくりを進めています。これは、100年後の未来に誇れるまちを、“今”、皆で創っていきたいという志を表しており、「いるま未来共創ラボ」を設置し、官民共創による柔軟なプロジェクト運営を展開しています。
毎年、本市全域で実施している防災訓練は、形だけの訓練ではなく、実際の災害時に役立つ実践的な取り組みを重ねてきました。その中で、学校における防災教育についても、子どもたちが日頃から防災について考え、行動する力を育むことが必要だと感じていました。
今回の産学官連携による実証実験は、これらの課題に応える取り組みとして、「いるま未来共創ラボ」から生まれました。この取り組みを通じて、災害時における避難体制の強化と、子どもたちへの実践的な防災教育の充実を図ってまいります。